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ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展にあわせ開幕!10名の日本人アーティストが参加する『身体と物質のエスノグラフィー―加速社会における遅さと深さ』展

「つくること」に宿る時間感覚と身体的知覚の回復を目指す GO FOR KOGEI アーティスティックディレクター・秋元雄史のキュレーションによる展覧会『身体と物質のエスノグラフィー―加速社会における遅さと深さ』(主催:認定NPO法人趣都金澤※、会期:2026年5月9日(土)―11月22日(日))が、同時期に現地一円にて行われる世界最古・最大の芸術祭ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展の開催にあわせ、イタリア・ヴェネチアで5月9日より一般公開を開始します。先駆けて、5月5日から報道や関係者向けの公開がスタートしました。本展は、情報と消費が加速し続ける現代において、「つくること」に宿るもう一つの時間感覚と身体的知覚の回復を目指す現代美術の展覧会です。日本人アーティスト10名による約100点を、ヴェネチア中心部の歴史的建築パラッツォ・ピザーニ・サンタ・マリーナの2フロア約500平米に展開し、建築家クラパット・ヤントラサストによる空間設計のもと、身体的な体験として提示します。 本展は、ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展にあわせて実施され、国際的な文脈の中で、日本の作家たちの実践を一つのまとまりとして提示します。その中に通底する工芸的な感性や態度をあらためて浮かび上がらせ、美術と工芸の分断構造を解消していこうとする点に特徴があります。これまで断片的に紹介されてきた日本の制作文化を、素材・身体・時間の関係として立体的に示すことで、その全体像を共有する試みです。 本展で提示される「工芸的な態度」は、単なるジャンル横断ではなく、現代美術そのものの前提に対する批判として機能します。近代以降の現代美術は、形式の革新や媒体固有性、作家の自律性といった価値を中核に据えながら発展してきましたが、その一方で、身体的経験や物質との持続的関係、時間の蓄積といった要素を周縁化してきました。 本展は、そうした近代主義的枠組みを内側から揺さぶり、作品を完成されたオブジェクトとしてではなく、身体と物質の関係が生成し続けるプロセスとして捉え直します。 さらに本展は、現代美術を支えてきた制度的構造――流通、可視性、即時的理解といった価値体系――に対しても批判的に応答します。ここで提示される作品は、消費されるイメージとしてではなく、時間をかけた関与を要求する存在として立ち現れます。その意味で本展は、現代美術の内部に位置しながら、その前提そのものを問い直し、別の価値軸を提示する試みです。こうした視点は、速度や効率を前提とする現代社会に対し、蓄積や身体的関与に基づく対抗的な芸術の可能性を示し、「現代美術」という枠組み自体を批判的に再編する契機となるでしょう。 ※認定NPO法人趣都金澤は、ものづくりが古くから受け継がれる北陸から2020年より毎年、ジャンルにとらわれない新たな⼯芸の⾒⽅を発信するプロジェクト「GO FOR KOGEI」を継続してきました。 GO FOR KOGEIについては こちら(https://goforkogei.com/) 展示風景撮影すべて:池田紀幸 開幕にあたり秋元雄史(本展キュレーター、GO FOR KOGEI アーティスティックディレクター) 展覧会について 本展は、情報と消費が加速度的に拡大する現代社会において、「つくること」という行為に内在する、もう一つの時間感覚と身体的な知覚を回復しようとする試みである。ここで扱われるものは、「工芸的アプローチ」あるいは「工芸的感性」と言い換えることができるだろう。 本展は、工芸を一つのジャンルとして位置づけるのではなく、あえて工芸的な態度を批評的なレンズとして用い、現代美術そのものを読み替え、再解釈することを目指している。 本展には、国内外で活躍する10名の日本人アーティストが参加する。彼ら/彼女らの多様な実践を通して、本展は、物質との深い関与、身体に根ざした知、そして身振りの緩やかな蓄積に基づく、現代美術の新たな理解を提示する。それは、速度、可視性、即時的な流通を重視する支配的な価値体系に対する、静かながらも確かな問いかけとなるだろう。   出展アーティストについて 沖潤子、川井雄仁、桑田卓郎、コムロタカヒロ、シゲ・フジシロ、舘鼻則孝、中田真裕、三嶋りつ惠、牟田陽日、綿結の10名は、それぞれ異なる素材と方法を用いながら、「身体と物質の関係をいかに制作の中で統制し、あるいは委ねるか」という問いに向き合っている作家である。 本展タイトルにある「エスノグラフィー」は、作家個人の表現を記述するだけでなく、身体を通して物質と関わる中で立ち現れる知覚や技術、時間の蓄積を読み解く視点を含んでいる。ここでの制作は、単なる個人の創作行為にとどまらず、反復や継承、共同性の中で培われてきた知の体系とも接続している。 工芸的アプローチの特質は、個人の独創性を超えて、長い時間をかけて共有されてきた技術や身体感覚、さらには集団的な知恵の蓄積に依拠している点にある。そこには、近代的な「作家=個人」という枠組みでは捉えきれない、無名性や継承性、関係性に基づく非近代的な要素が含まれている。素材の扱い方や制作のリズム、身体の使い方は、個々の作家に固有であると同時に、歴史的・社会的に共有されてきた実践の延長でもある。 本展における10名の作家は、このような集団的な知の層を背景に持ちながら、それぞれ異なる方法で物質と向き合っている。ある者は素材の偶発性を受け入れ、ある者は反復や積層によって時間を統制し、またある者は身体そのものを媒介として社会的・象徴的な意味を編成する。その差異は、個人の表現の違いであると同時に、身体と物質の関係をめぐる多様な方法論の現れでもある。 こうした実践を並置することで、本展は、制作を個人の創造性としてではなく、身体・物質・時間、さらには共同性や歴史性を含んだ複合的なプロセスとして捉え直す。そこに現れる「遅さ」や「深さ」とは、単なる速度の対概念ではなく、関係が積み重なり、知が共有されていく過程そのものを指している。10名の作家の仕事は、そのような多層的な関係の中で立ち上がる制作のあり方を、具体的に示している。 東京藝術大学名誉教授、金沢21世紀美術館特任館長、国立台南芸術大学栄誉教授、美術評論家。1955年東京生まれ。東京藝術大学美術学部卒業。1991年から直島のアートプロジェクトに携わる。ベネッセアートサイト直島・アーティスティックディレクター兼地中美術館館長(2004–2006年)をはじめ金沢21世紀美術館館長(2007–2017年)、東京藝術大学大学美術館館長・教授(2015–2021年)、練馬区立美術館館長(2017–2023年)を歴任し、GO FOR KOGEIのアーティスティックディレクターを務める。主なプロジェクト・展覧会に、「スタンダード」「直島スタンダード2」(直島)、「第1–3回 金沢・世界工芸トリエンナーレ」(金沢、草屯・台湾)、「工芸未来派」(金沢、ニューヨーク・アメリカ)、「ジャポニズム2018」の公式企画として「井上有一 1916–1985 —書の解放—」(パリ、アルビ・フランス)、「あるがままのアート-人知れず表現し続ける者たち-」(東京)など。著書に『アート思考』(2019年、プレジデント社)等。 基本情報展覧会タイトル|身体と物質のエスノグラフィー―加速社会における遅さと深さ 会期|2026年5月9日(土)‒11月22日(日)(休場日:火曜) 時間|11:00-19:00(5月9日‒9月30日)、10:00-18:00(10月1日‒11月22日) 会場|パラッツォ・ピザーニ・サンタ・マリーナ ヴェネチア市カンナレージョ地区6104(イタリア) 入場|無料 プレビュー|2026年5月6日(水)-5月8日(金)11:00-19:00  プレスプレビュー|2026年5月7日(木)10:00-11:00  オープニングレセプション|2026年5月7日(木)17:00-19:00 キュレーター|秋元雄史(GO FOR KOGEI アーティスティックディレクター) アーティスト|沖 潤子、川井雄仁、桑田卓郎、コムロタカヒロ、シゲ・フジシロ、舘鼻則孝、中田真裕、三嶋りつ惠、牟田陽日、綿 結(五十音順) 特設サイト|https://venice.goforkogei.com/jp/  主催|認定NPO法人趣都金澤 助成|クリエイター支援基金 特別協賛|株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ、未来トラスト株式会社 協賛|一般財団法人...

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ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展にあわせ開幕!10名の日本人アーティストが参加する『身体と物質のエスノグラフィー―加速社会における遅さと深さ』展

「つくること」に宿る時間感覚と身体的知覚の回復を目指す GO FOR KOGEI アーティスティックディレクター・秋元雄史のキュレーションによる展覧会『身体と物質のエスノグラフィー―加速社会における遅さと深さ』(主催:認定NPO法人趣都金澤※、会期:2026年5月9日(土)―11月22日(日))が、同時期に現地一円にて行われる世界最古・最大の芸術祭ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展の開催にあわせ、イタリア・ヴェネチアで5月9日より一般公開を開始します。先駆けて、5月5日から報道や関係者向けの公開がスタートしました。本展は、情報と消費が加速し続ける現代において、「つくること」に宿るもう一つの時間感覚と身体的知覚の回復を目指す現代美術の展覧会です。日本人アーティスト10名による約100点を、ヴェネチア中心部の歴史的建築パラッツォ・ピザーニ・サンタ・マリーナの2フロア約500平米に展開し、建築家クラパット・ヤントラサストによる空間設計のもと、身体的な体験として提示します。 本展は、ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展にあわせて実施され、国際的な文脈の中で、日本の作家たちの実践を一つのまとまりとして提示します。その中に通底する工芸的な感性や態度をあらためて浮かび上がらせ、美術と工芸の分断構造を解消していこうとする点に特徴があります。これまで断片的に紹介されてきた日本の制作文化を、素材・身体・時間の関係として立体的に示すことで、その全体像を共有する試みです。 本展で提示される「工芸的な態度」は、単なるジャンル横断ではなく、現代美術そのものの前提に対する批判として機能します。近代以降の現代美術は、形式の革新や媒体固有性、作家の自律性といった価値を中核に据えながら発展してきましたが、その一方で、身体的経験や物質との持続的関係、時間の蓄積といった要素を周縁化してきました。 本展は、そうした近代主義的枠組みを内側から揺さぶり、作品を完成されたオブジェクトとしてではなく、身体と物質の関係が生成し続けるプロセスとして捉え直します。 さらに本展は、現代美術を支えてきた制度的構造――流通、可視性、即時的理解といった価値体系――に対しても批判的に応答します。ここで提示される作品は、消費されるイメージとしてではなく、時間をかけた関与を要求する存在として立ち現れます。その意味で本展は、現代美術の内部に位置しながら、その前提そのものを問い直し、別の価値軸を提示する試みです。こうした視点は、速度や効率を前提とする現代社会に対し、蓄積や身体的関与に基づく対抗的な芸術の可能性を示し、「現代美術」という枠組み自体を批判的に再編する契機となるでしょう。 ※認定NPO法人趣都金澤は、ものづくりが古くから受け継がれる北陸から2020年より毎年、ジャンルにとらわれない新たな⼯芸の⾒⽅を発信するプロジェクト「GO FOR KOGEI」を継続してきました。 GO FOR KOGEIについては こちら(https://goforkogei.com/) 展示風景撮影すべて:池田紀幸 開幕にあたり秋元雄史(本展キュレーター、GO FOR KOGEI アーティスティックディレクター) 展覧会について 本展は、情報と消費が加速度的に拡大する現代社会において、「つくること」という行為に内在する、もう一つの時間感覚と身体的な知覚を回復しようとする試みである。ここで扱われるものは、「工芸的アプローチ」あるいは「工芸的感性」と言い換えることができるだろう。 本展は、工芸を一つのジャンルとして位置づけるのではなく、あえて工芸的な態度を批評的なレンズとして用い、現代美術そのものを読み替え、再解釈することを目指している。 本展には、国内外で活躍する10名の日本人アーティストが参加する。彼ら/彼女らの多様な実践を通して、本展は、物質との深い関与、身体に根ざした知、そして身振りの緩やかな蓄積に基づく、現代美術の新たな理解を提示する。それは、速度、可視性、即時的な流通を重視する支配的な価値体系に対する、静かながらも確かな問いかけとなるだろう。   出展アーティストについて 沖潤子、川井雄仁、桑田卓郎、コムロタカヒロ、シゲ・フジシロ、舘鼻則孝、中田真裕、三嶋りつ惠、牟田陽日、綿結の10名は、それぞれ異なる素材と方法を用いながら、「身体と物質の関係をいかに制作の中で統制し、あるいは委ねるか」という問いに向き合っている作家である。 本展タイトルにある「エスノグラフィー」は、作家個人の表現を記述するだけでなく、身体を通して物質と関わる中で立ち現れる知覚や技術、時間の蓄積を読み解く視点を含んでいる。ここでの制作は、単なる個人の創作行為にとどまらず、反復や継承、共同性の中で培われてきた知の体系とも接続している。 工芸的アプローチの特質は、個人の独創性を超えて、長い時間をかけて共有されてきた技術や身体感覚、さらには集団的な知恵の蓄積に依拠している点にある。そこには、近代的な「作家=個人」という枠組みでは捉えきれない、無名性や継承性、関係性に基づく非近代的な要素が含まれている。素材の扱い方や制作のリズム、身体の使い方は、個々の作家に固有であると同時に、歴史的・社会的に共有されてきた実践の延長でもある。 本展における10名の作家は、このような集団的な知の層を背景に持ちながら、それぞれ異なる方法で物質と向き合っている。ある者は素材の偶発性を受け入れ、ある者は反復や積層によって時間を統制し、またある者は身体そのものを媒介として社会的・象徴的な意味を編成する。その差異は、個人の表現の違いであると同時に、身体と物質の関係をめぐる多様な方法論の現れでもある。 こうした実践を並置することで、本展は、制作を個人の創造性としてではなく、身体・物質・時間、さらには共同性や歴史性を含んだ複合的なプロセスとして捉え直す。そこに現れる「遅さ」や「深さ」とは、単なる速度の対概念ではなく、関係が積み重なり、知が共有されていく過程そのものを指している。10名の作家の仕事は、そのような多層的な関係の中で立ち上がる制作のあり方を、具体的に示している。 東京藝術大学名誉教授、金沢21世紀美術館特任館長、国立台南芸術大学栄誉教授、美術評論家。1955年東京生まれ。東京藝術大学美術学部卒業。1991年から直島のアートプロジェクトに携わる。ベネッセアートサイト直島・アーティスティックディレクター兼地中美術館館長(2004–2006年)をはじめ金沢21世紀美術館館長(2007–2017年)、東京藝術大学大学美術館館長・教授(2015–2021年)、練馬区立美術館館長(2017–2023年)を歴任し、GO FOR KOGEIのアーティスティックディレクターを務める。主なプロジェクト・展覧会に、「スタンダード」「直島スタンダード2」(直島)、「第1–3回 金沢・世界工芸トリエンナーレ」(金沢、草屯・台湾)、「工芸未来派」(金沢、ニューヨーク・アメリカ)、「ジャポニズム2018」の公式企画として「井上有一 1916–1985 —書の解放—」(パリ、アルビ・フランス)、「あるがままのアート-人知れず表現し続ける者たち-」(東京)など。著書に『アート思考』(2019年、プレジデント社)等。 基本情報展覧会タイトル|身体と物質のエスノグラフィー―加速社会における遅さと深さ 会期|2026年5月9日(土)‒11月22日(日)(休場日:火曜) 時間|11:00-19:00(5月9日‒9月30日)、10:00-18:00(10月1日‒11月22日) 会場|パラッツォ・ピザーニ・サンタ・マリーナ ヴェネチア市カンナレージョ地区6104(イタリア) 入場|無料 プレビュー|2026年5月6日(水)-5月8日(金)11:00-19:00  プレスプレビュー|2026年5月7日(木)10:00-11:00  オープニングレセプション|2026年5月7日(木)17:00-19:00 キュレーター|秋元雄史(GO FOR KOGEI アーティスティックディレクター) アーティスト|沖 潤子、川井雄仁、桑田卓郎、コムロタカヒロ、シゲ・フジシロ、舘鼻則孝、中田真裕、三嶋りつ惠、牟田陽日、綿 結(五十音順) 特設サイト|https://venice.goforkogei.com/jp/  主催|認定NPO法人趣都金澤 助成|クリエイター支援基金 特別協賛|株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ、未来トラスト株式会社 協賛|一般財団法人...

AIで「子の心の成長」を可視化。新アプリ「ミライミ」がこどもの日にクラファン開始!~描いた絵や声がキャラクターに進化。

親子の対話を育み、10年後の子どもに「愛されていた」と伝える新しい“心のインフラ”へ~ LASTKEY株式会社(代表:岩本裕美子)は、子どもの感情・成長を「見える化」するAIアプリ「ミライミ」の開発に向けたクラウドファンディングを、ソーシャルグッド特化型プラットフォーム「For Good」にて2026年5月5日(月・祝)の「こどもの日」より開始いたします。本アプリは子どもの作品(絵・手紙・音声)をAIが分析し、その感情や成長の傾向をキャラクター(モンスター)の姿で可視化するもの。子ども・保護者・教育現場が抱える「見えない心の成長」という課題に向き合い、親子の対話を育てる新しい仕組みの実現を目指します。 ■ 「ミライミ」プロジェクト 3つの注目ポイント                                         ...

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ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展にあわせ開幕!10名の日本人アーティストが参加する『身体と物質のエスノグラフィー―加速社会における遅さと深さ』展

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ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展にあわせ開幕!10名の日本人アーティストが参加する『身体と物質のエスノグラフィー―加速社会における遅さと深さ』展

「つくること」に宿る時間感覚と身体的知覚の回復を目指す GO FOR KOGEI アーティスティックディレクター・秋元雄史のキュレーションによる展覧会『身体と物質のエスノグラフィー―加速社会における遅さと深さ』(主催:認定NPO法人趣都金澤※、会期:2026年5月9日(土)―11月22日(日))が、同時期に現地一円にて行われる世界最古・最大の芸術祭ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展の開催にあわせ、イタリア・ヴェネチアで5月9日より一般公開を開始します。先駆けて、5月5日から報道や関係者向けの公開がスタートしました。本展は、情報と消費が加速し続ける現代において、「つくること」に宿るもう一つの時間感覚と身体的知覚の回復を目指す現代美術の展覧会です。日本人アーティスト10名による約100点を、ヴェネチア中心部の歴史的建築パラッツォ・ピザーニ・サンタ・マリーナの2フロア約500平米に展開し、建築家クラパット・ヤントラサストによる空間設計のもと、身体的な体験として提示します。 本展は、ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展にあわせて実施され、国際的な文脈の中で、日本の作家たちの実践を一つのまとまりとして提示します。その中に通底する工芸的な感性や態度をあらためて浮かび上がらせ、美術と工芸の分断構造を解消していこうとする点に特徴があります。これまで断片的に紹介されてきた日本の制作文化を、素材・身体・時間の関係として立体的に示すことで、その全体像を共有する試みです。 本展で提示される「工芸的な態度」は、単なるジャンル横断ではなく、現代美術そのものの前提に対する批判として機能します。近代以降の現代美術は、形式の革新や媒体固有性、作家の自律性といった価値を中核に据えながら発展してきましたが、その一方で、身体的経験や物質との持続的関係、時間の蓄積といった要素を周縁化してきました。 本展は、そうした近代主義的枠組みを内側から揺さぶり、作品を完成されたオブジェクトとしてではなく、身体と物質の関係が生成し続けるプロセスとして捉え直します。 さらに本展は、現代美術を支えてきた制度的構造――流通、可視性、即時的理解といった価値体系――に対しても批判的に応答します。ここで提示される作品は、消費されるイメージとしてではなく、時間をかけた関与を要求する存在として立ち現れます。その意味で本展は、現代美術の内部に位置しながら、その前提そのものを問い直し、別の価値軸を提示する試みです。こうした視点は、速度や効率を前提とする現代社会に対し、蓄積や身体的関与に基づく対抗的な芸術の可能性を示し、「現代美術」という枠組み自体を批判的に再編する契機となるでしょう。 ※認定NPO法人趣都金澤は、ものづくりが古くから受け継がれる北陸から2020年より毎年、ジャンルにとらわれない新たな⼯芸の⾒⽅を発信するプロジェクト「GO FOR KOGEI」を継続してきました。 GO FOR KOGEIについては こちら(https://goforkogei.com/) 展示風景撮影すべて:池田紀幸 開幕にあたり秋元雄史(本展キュレーター、GO FOR KOGEI アーティスティックディレクター) 展覧会について 本展は、情報と消費が加速度的に拡大する現代社会において、「つくること」という行為に内在する、もう一つの時間感覚と身体的な知覚を回復しようとする試みである。ここで扱われるものは、「工芸的アプローチ」あるいは「工芸的感性」と言い換えることができるだろう。 本展は、工芸を一つのジャンルとして位置づけるのではなく、あえて工芸的な態度を批評的なレンズとして用い、現代美術そのものを読み替え、再解釈することを目指している。 本展には、国内外で活躍する10名の日本人アーティストが参加する。彼ら/彼女らの多様な実践を通して、本展は、物質との深い関与、身体に根ざした知、そして身振りの緩やかな蓄積に基づく、現代美術の新たな理解を提示する。それは、速度、可視性、即時的な流通を重視する支配的な価値体系に対する、静かながらも確かな問いかけとなるだろう。   出展アーティストについて 沖潤子、川井雄仁、桑田卓郎、コムロタカヒロ、シゲ・フジシロ、舘鼻則孝、中田真裕、三嶋りつ惠、牟田陽日、綿結の10名は、それぞれ異なる素材と方法を用いながら、「身体と物質の関係をいかに制作の中で統制し、あるいは委ねるか」という問いに向き合っている作家である。 本展タイトルにある「エスノグラフィー」は、作家個人の表現を記述するだけでなく、身体を通して物質と関わる中で立ち現れる知覚や技術、時間の蓄積を読み解く視点を含んでいる。ここでの制作は、単なる個人の創作行為にとどまらず、反復や継承、共同性の中で培われてきた知の体系とも接続している。 工芸的アプローチの特質は、個人の独創性を超えて、長い時間をかけて共有されてきた技術や身体感覚、さらには集団的な知恵の蓄積に依拠している点にある。そこには、近代的な「作家=個人」という枠組みでは捉えきれない、無名性や継承性、関係性に基づく非近代的な要素が含まれている。素材の扱い方や制作のリズム、身体の使い方は、個々の作家に固有であると同時に、歴史的・社会的に共有されてきた実践の延長でもある。 本展における10名の作家は、このような集団的な知の層を背景に持ちながら、それぞれ異なる方法で物質と向き合っている。ある者は素材の偶発性を受け入れ、ある者は反復や積層によって時間を統制し、またある者は身体そのものを媒介として社会的・象徴的な意味を編成する。その差異は、個人の表現の違いであると同時に、身体と物質の関係をめぐる多様な方法論の現れでもある。 こうした実践を並置することで、本展は、制作を個人の創造性としてではなく、身体・物質・時間、さらには共同性や歴史性を含んだ複合的なプロセスとして捉え直す。そこに現れる「遅さ」や「深さ」とは、単なる速度の対概念ではなく、関係が積み重なり、知が共有されていく過程そのものを指している。10名の作家の仕事は、そのような多層的な関係の中で立ち上がる制作のあり方を、具体的に示している。 東京藝術大学名誉教授、金沢21世紀美術館特任館長、国立台南芸術大学栄誉教授、美術評論家。1955年東京生まれ。東京藝術大学美術学部卒業。1991年から直島のアートプロジェクトに携わる。ベネッセアートサイト直島・アーティスティックディレクター兼地中美術館館長(2004–2006年)をはじめ金沢21世紀美術館館長(2007–2017年)、東京藝術大学大学美術館館長・教授(2015–2021年)、練馬区立美術館館長(2017–2023年)を歴任し、GO FOR KOGEIのアーティスティックディレクターを務める。主なプロジェクト・展覧会に、「スタンダード」「直島スタンダード2」(直島)、「第1–3回 金沢・世界工芸トリエンナーレ」(金沢、草屯・台湾)、「工芸未来派」(金沢、ニューヨーク・アメリカ)、「ジャポニズム2018」の公式企画として「井上有一 1916–1985 —書の解放—」(パリ、アルビ・フランス)、「あるがままのアート-人知れず表現し続ける者たち-」(東京)など。著書に『アート思考』(2019年、プレジデント社)等。 基本情報展覧会タイトル|身体と物質のエスノグラフィー―加速社会における遅さと深さ 会期|2026年5月9日(土)‒11月22日(日)(休場日:火曜) 時間|11:00-19:00(5月9日‒9月30日)、10:00-18:00(10月1日‒11月22日) 会場|パラッツォ・ピザーニ・サンタ・マリーナ ヴェネチア市カンナレージョ地区6104(イタリア) 入場|無料 プレビュー|2026年5月6日(水)-5月8日(金)11:00-19:00  プレスプレビュー|2026年5月7日(木)10:00-11:00  オープニングレセプション|2026年5月7日(木)17:00-19:00 キュレーター|秋元雄史(GO FOR KOGEI アーティスティックディレクター) アーティスト|沖 潤子、川井雄仁、桑田卓郎、コムロタカヒロ、シゲ・フジシロ、舘鼻則孝、中田真裕、三嶋りつ惠、牟田陽日、綿 結(五十音順) 特設サイト|https://venice.goforkogei.com/jp/  主催|認定NPO法人趣都金澤 助成|クリエイター支援基金 特別協賛|株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ、未来トラスト株式会社 協賛|一般財団法人...

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ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展にあわせ開幕!10名の日本人アーティストが参加する『身体と物質のエスノグラフィー―加速社会における遅さと深さ』展

「つくること」に宿る時間感覚と身体的知覚の回復を目指す GO FOR KOGEI アーティスティックディレクター・秋元雄史のキュレーションによる展覧会『身体と物質のエスノグラフィー―加速社会における遅さと深さ』(主催:認定NPO法人趣都金澤※、会期:2026年5月9日(土)―11月22日(日))が、同時期に現地一円にて行われる世界最古・最大の芸術祭ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展の開催にあわせ、イタリア・ヴェネチアで5月9日より一般公開を開始します。先駆けて、5月5日から報道や関係者向けの公開がスタートしました。本展は、情報と消費が加速し続ける現代において、「つくること」に宿るもう一つの時間感覚と身体的知覚の回復を目指す現代美術の展覧会です。日本人アーティスト10名による約100点を、ヴェネチア中心部の歴史的建築パラッツォ・ピザーニ・サンタ・マリーナの2フロア約500平米に展開し、建築家クラパット・ヤントラサストによる空間設計のもと、身体的な体験として提示します。 本展は、ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展にあわせて実施され、国際的な文脈の中で、日本の作家たちの実践を一つのまとまりとして提示します。その中に通底する工芸的な感性や態度をあらためて浮かび上がらせ、美術と工芸の分断構造を解消していこうとする点に特徴があります。これまで断片的に紹介されてきた日本の制作文化を、素材・身体・時間の関係として立体的に示すことで、その全体像を共有する試みです。 本展で提示される「工芸的な態度」は、単なるジャンル横断ではなく、現代美術そのものの前提に対する批判として機能します。近代以降の現代美術は、形式の革新や媒体固有性、作家の自律性といった価値を中核に据えながら発展してきましたが、その一方で、身体的経験や物質との持続的関係、時間の蓄積といった要素を周縁化してきました。 本展は、そうした近代主義的枠組みを内側から揺さぶり、作品を完成されたオブジェクトとしてではなく、身体と物質の関係が生成し続けるプロセスとして捉え直します。 さらに本展は、現代美術を支えてきた制度的構造――流通、可視性、即時的理解といった価値体系――に対しても批判的に応答します。ここで提示される作品は、消費されるイメージとしてではなく、時間をかけた関与を要求する存在として立ち現れます。その意味で本展は、現代美術の内部に位置しながら、その前提そのものを問い直し、別の価値軸を提示する試みです。こうした視点は、速度や効率を前提とする現代社会に対し、蓄積や身体的関与に基づく対抗的な芸術の可能性を示し、「現代美術」という枠組み自体を批判的に再編する契機となるでしょう。 ※認定NPO法人趣都金澤は、ものづくりが古くから受け継がれる北陸から2020年より毎年、ジャンルにとらわれない新たな⼯芸の⾒⽅を発信するプロジェクト「GO FOR KOGEI」を継続してきました。 GO FOR KOGEIについては こちら(https://goforkogei.com/) 展示風景撮影すべて:池田紀幸 開幕にあたり秋元雄史(本展キュレーター、GO FOR KOGEI アーティスティックディレクター) 展覧会について 本展は、情報と消費が加速度的に拡大する現代社会において、「つくること」という行為に内在する、もう一つの時間感覚と身体的な知覚を回復しようとする試みである。ここで扱われるものは、「工芸的アプローチ」あるいは「工芸的感性」と言い換えることができるだろう。 本展は、工芸を一つのジャンルとして位置づけるのではなく、あえて工芸的な態度を批評的なレンズとして用い、現代美術そのものを読み替え、再解釈することを目指している。 本展には、国内外で活躍する10名の日本人アーティストが参加する。彼ら/彼女らの多様な実践を通して、本展は、物質との深い関与、身体に根ざした知、そして身振りの緩やかな蓄積に基づく、現代美術の新たな理解を提示する。それは、速度、可視性、即時的な流通を重視する支配的な価値体系に対する、静かながらも確かな問いかけとなるだろう。   出展アーティストについて 沖潤子、川井雄仁、桑田卓郎、コムロタカヒロ、シゲ・フジシロ、舘鼻則孝、中田真裕、三嶋りつ惠、牟田陽日、綿結の10名は、それぞれ異なる素材と方法を用いながら、「身体と物質の関係をいかに制作の中で統制し、あるいは委ねるか」という問いに向き合っている作家である。 本展タイトルにある「エスノグラフィー」は、作家個人の表現を記述するだけでなく、身体を通して物質と関わる中で立ち現れる知覚や技術、時間の蓄積を読み解く視点を含んでいる。ここでの制作は、単なる個人の創作行為にとどまらず、反復や継承、共同性の中で培われてきた知の体系とも接続している。 工芸的アプローチの特質は、個人の独創性を超えて、長い時間をかけて共有されてきた技術や身体感覚、さらには集団的な知恵の蓄積に依拠している点にある。そこには、近代的な「作家=個人」という枠組みでは捉えきれない、無名性や継承性、関係性に基づく非近代的な要素が含まれている。素材の扱い方や制作のリズム、身体の使い方は、個々の作家に固有であると同時に、歴史的・社会的に共有されてきた実践の延長でもある。 本展における10名の作家は、このような集団的な知の層を背景に持ちながら、それぞれ異なる方法で物質と向き合っている。ある者は素材の偶発性を受け入れ、ある者は反復や積層によって時間を統制し、またある者は身体そのものを媒介として社会的・象徴的な意味を編成する。その差異は、個人の表現の違いであると同時に、身体と物質の関係をめぐる多様な方法論の現れでもある。 こうした実践を並置することで、本展は、制作を個人の創造性としてではなく、身体・物質・時間、さらには共同性や歴史性を含んだ複合的なプロセスとして捉え直す。そこに現れる「遅さ」や「深さ」とは、単なる速度の対概念ではなく、関係が積み重なり、知が共有されていく過程そのものを指している。10名の作家の仕事は、そのような多層的な関係の中で立ち上がる制作のあり方を、具体的に示している。 東京藝術大学名誉教授、金沢21世紀美術館特任館長、国立台南芸術大学栄誉教授、美術評論家。1955年東京生まれ。東京藝術大学美術学部卒業。1991年から直島のアートプロジェクトに携わる。ベネッセアートサイト直島・アーティスティックディレクター兼地中美術館館長(2004–2006年)をはじめ金沢21世紀美術館館長(2007–2017年)、東京藝術大学大学美術館館長・教授(2015–2021年)、練馬区立美術館館長(2017–2023年)を歴任し、GO FOR KOGEIのアーティスティックディレクターを務める。主なプロジェクト・展覧会に、「スタンダード」「直島スタンダード2」(直島)、「第1–3回 金沢・世界工芸トリエンナーレ」(金沢、草屯・台湾)、「工芸未来派」(金沢、ニューヨーク・アメリカ)、「ジャポニズム2018」の公式企画として「井上有一 1916–1985 —書の解放—」(パリ、アルビ・フランス)、「あるがままのアート-人知れず表現し続ける者たち-」(東京)など。著書に『アート思考』(2019年、プレジデント社)等。 基本情報展覧会タイトル|身体と物質のエスノグラフィー―加速社会における遅さと深さ 会期|2026年5月9日(土)‒11月22日(日)(休場日:火曜) 時間|11:00-19:00(5月9日‒9月30日)、10:00-18:00(10月1日‒11月22日) 会場|パラッツォ・ピザーニ・サンタ・マリーナ ヴェネチア市カンナレージョ地区6104(イタリア) 入場|無料 プレビュー|2026年5月6日(水)-5月8日(金)11:00-19:00  プレスプレビュー|2026年5月7日(木)10:00-11:00  オープニングレセプション|2026年5月7日(木)17:00-19:00 キュレーター|秋元雄史(GO FOR KOGEI アーティスティックディレクター) アーティスト|沖 潤子、川井雄仁、桑田卓郎、コムロタカヒロ、シゲ・フジシロ、舘鼻則孝、中田真裕、三嶋りつ惠、牟田陽日、綿 結(五十音順) 特設サイト|https://venice.goforkogei.com/jp/  主催|認定NPO法人趣都金澤 助成|クリエイター支援基金 特別協賛|株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ、未来トラスト株式会社 協賛|一般財団法人...

AIで「子の心の成長」を可視化。新アプリ「ミライミ」がこどもの日にクラファン開始!~描いた絵や声がキャラクターに進化。

親子の対話を育み、10年後の子どもに「愛されていた」と伝える新しい“心のインフラ”へ~ LASTKEY株式会社(代表:岩本裕美子)は、子どもの感情・成長を「見える化」するAIアプリ「ミライミ」の開発に向けたクラウドファンディングを、ソーシャルグッド特化型プラットフォーム「For Good」にて2026年5月5日(月・祝)の「こどもの日」より開始いたします。本アプリは子どもの作品(絵・手紙・音声)をAIが分析し、その感情や成長の傾向をキャラクター(モンスター)の姿で可視化するもの。子ども・保護者・教育現場が抱える「見えない心の成長」という課題に向き合い、親子の対話を育てる新しい仕組みの実現を目指します。 ■ 「ミライミ」プロジェクト 3つの注目ポイント                                         ...

お子様の才能を解き放つ「英語×アート」新プログラム始動

~思考力と表現力を育む探究型アート『Messy Masterpiece』開催~国内外のボーディングスクール進学を視野に入れたコンサルティング型英語教育機関、Global Learner’s Institute(以下、GLI)は、2026年5月・6月・9月に、英語とアートを融合させた新プログラム『Messy Masterpiece』をGLI広尾校にて開催いたします。本プログラムは、単なる技術習得にとどまらず、「思考する力」「問いを立てる力」「自分の言葉で表現する力」を育むことを目的とした探究型アートプログラムです。 ■ アートを通じて“世界を考える”力を育てる 一般的に「アート」は描写技術として捉えられがちですが、本来は世界をどう捉え、どう問い、どう表現するかという思考活動そのものです。 本プログラムでは、作品制作を通じて、  多角的に物事を捉える視点  自分なりの問いを立てる力  感情や考えを言語化する力  を自然に育成します。 英語を用いた対話や表現も取り入れることで、国際社会で求められる「思考力×発信力」を同時に高めます。 ■ 正解のない時代に必要な“挑戦する力”本プログラムでは、「上手に描くこと」を目的とはしていません。 重視するのは、  未知への挑戦  固定観念からの解放  失敗を恐れない表現 です。 講師にはプロフェッショナルアーティストのGOLNOOSH氏を迎え、彼女のサポートの元、アートの本質を体験していただきます。初めての方には「自分にもできる」という成功体験を、経験者にはさらなる表現の深化を提供します。 ■ 3つの画法で広がる表現の世界本プログラムでは、異なる3つの画法に挑戦します。 5月:パステル(Pastel) 6月:水彩(Water color) 9月:ミクストメディア(Mixed Media) それぞれの技法において、基礎スキルの習得と同時に、その背景にある表現意図や世界観についても探究していきます。 ■ 開催概要【名称】 Messy Masterpiece(英語×アートプログラム) 【日時】 5月16日(土)/5月23日(土)[パステル]  6月20日(土)/6月27日(土)[水彩]  9月12日(土)/9月19日(土)[ミクストメディア]  ※各回 10:00〜12:00 【会場】 GLI広尾第二教室 【対象】 7歳〜高校生(保護者参加可) 【参加費(税込)】 GLI生:7,500円/回  外部生:8,500円/回 ※全日程参加で10%割引 ※希望するテーマのみの参加も可能ですが、その場合2日とも参加されることを推奨します。 ■ お申し込み方法ご参加を希望される方は、GLI公式LINEより  「広尾アート」と参加希望日程(例:5/16)を明記のうえご連絡ください。 ※定員になり次第、締切となります。 👉  GLI公式LINEはこちら ■ 体験から“才能の芽”を引き出す『Messy Masterpiece』は、アートを通じてお子様の内面にある可能性を引き出し、 思考力と表現力を育てる特別プログラムです。これからの時代に必要とされる力を、“体験”から確かな成長へとつなげます。 【関連情報】■GLI代表 鏑木のInstagram「子どもの可能性を広げる教育新常識」をテーマに、教育・進路・海外留学などの最新情報を発信中。 👉 Instagramはこちら https://www.instagram.com/kaburaki_san 【企業情報】◇株式会社鏑木教育コンサルティングについて個々の特性を最大限に生かし、世界基準の教育および進学機会の提供を目的に設立されたコンサルティング企業です。パーソナルな視点で、最適な教育プランを設計・提供しております。 ◇ Global Learner’s Institute(GLI)についてGLIは、晴海・広尾・武蔵小杉の校舎およびオンラインを通じて、国内外のボーディングスクール進学を目指す小・中・高校生に向けたコンサルティング型英会話スクールです。探究的な学習をCLIL(内容言語統合型学習)を用いて行うことで、英語力と思考力・創造力を同時に育成。お子様の個別の進路設計をサポートいたします。 ■通学型受講コース "GLI"の詳細はこちら ■オンライン受講コース "GLIオンライン"の詳細はこちら 【本リリースに関するお問合せ】Global Learner’s...

MoN Takanawa: The Museum of Narratives、ユネスコによる世界的な建築賞「ベルサイユ賞」「世界で最も美しいミュージアム 2026」リストに選出

「MoN Takanawa: The Museum of Narratives(モン タカナワ: ザ ミュージアム オブ ナラティブズ)」(東京都港区、運営:一般財団法人JR東日本文化創造財団)は、国連教育科学文化機関(ユネスコ)による世界的建築賞「Prix Versailles(ベルサイユ賞)」の「The World's Most Beautiful Museums 2026(世界で最も美しいミュージアム 2026)」リストの一つに選出されました。日本のミュージアムの選出は、2024年の下瀬美術館(広島県大竹市)に続く2館目となります。                ベルサイユ賞は2015年にユネスコ本部にて創設された、世界各地の優れた現代建築プロジェクトを顕彰する世界的な建築賞です。審査においては革新性や創造性に加え、地域遺産の反映、生態系への配慮、社会的交流と参加の価値など国連が重視する要素を評価する「インテリジェント・サステナビリティ」の原則に基づいています。単なる造形美にとどまらず、建築が環境・社会・文化に与える影響を含めて評価される点が特徴です。MoN...

横浜美術館コレクション展「みる風景、かんがえる風景」2026年4月25日(土) – 6月28日(日)

風景表現の魅力に迫る ― 新たに収蔵された初公開作品を含むコレクション作品で紹介!              本展は、「みる風景、かんがえる風景」と題し、19世紀から21世紀にいたる多様な風景表現を紹介します。山や海をはじめとする自然や、近代都市、夢や無意識といった人間の内なる世界の投影など、当館のコレクションから「風景」に関する作品を選りすぐり、その魅力に迫ります。近年、新たに収蔵された作品も初公開します。風景はそれぞれの感性によって受け止められる一方、文化、社会、政治との関係のなかで考察される知的な対象でもあります。芸術家や写真家たちは、風景に何をみて、何を考え、作品として表現したのでしょうか。ぜひ会場で、作家たちが描写した風景をご覧ください。  加えて、ハイライトコーナーでは、横浜美術館の珠玉の所蔵作品を厳選して紹介します。横浜にゆかりのある作家や、カンディンスキー、ピカソ、ダリといった西洋美術を代表する作家の作品を集め、コレクションの魅力に迫ります。 見どころ 同時開催の「没後110年 ⽇本画の革命児 今村紫紅」展と連動 南画や印象派などの表現を取り入れ、風景画において個性を発揮した今村紫紅。コレクション展では、紫紅が活躍した明治時代の末以降の、国内外の多様な風景表現をたどります。   新収蔵作品の公開 近年、新たに収蔵された中から、風景に関連する作品を選んで初公開します。  「ハイライト」を特別な空間で紹介天井が高く円筒状の空間が特徴のギャラリーで、ピカソやダリといった作家たちの名品をゆっくり鑑賞することができます。 詳細を見る ■開催概要 横浜美術館コレクション展 みる風景、かんがえる風景 Yokohama Museum of Art Collection Exhibition Landscapes to View, Landscapes to Consider 会  期:2026年4月25日(土)~6月28日(日) 開館時間:10:00~18:00(入館は閉館の30分前まで) 休 館 日:木曜日 ※4月30日、5月7日は開館 主  催:横浜美術館(公益財団法人横浜市芸術文化振興財団) 観覧料:一般 500(400)円、大学生 300(240)円、中学・高校生 100(80)円、 小学生以下無料 ( )内は有料20名以上の団体料金(要事前予約[TEL:045-221-0300]、美術館券売所でのみ販売) ※毎週土曜日は、高校生以下無料※障がい者手帳をお持ちの方と介護の方(1名)は無料 ※「今村紫紅展」ご観覧当日に限り、「今村紫紅展」の観覧券で本展および「アーティストとひらく」もご覧いただけます。※じゆうエリア(ギャラリー9、グランドギャラリー、3F回廊)でのコレクション展は観覧無料 お問合せ:横浜美術館 TEL:045-221-0300(10:00~18:00 木曜休館) https://yokohama.art.museum/

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「つくること」に宿る時間感覚と身体的知覚の回復を目指す GO FOR KOGEI アーティスティックディレクター・秋元雄史のキュレーションによる展覧会『身体と物質のエスノグラフィー―加速社会における遅さと深さ』(主催:認定NPO法人趣都金澤※、会期:2026年5月9日(土)―11月22日(日))が、同時期に現地一円にて行われる世界最古・最大の芸術祭ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展の開催にあわせ、イタリア・ヴェネチアで5月9日より一般公開を開始します。先駆けて、5月5日から報道や関係者向けの公開がスタートしました。本展は、情報と消費が加速し続ける現代において、「つくること」に宿るもう一つの時間感覚と身体的知覚の回復を目指す現代美術の展覧会です。日本人アーティスト10名による約100点を、ヴェネチア中心部の歴史的建築パラッツォ・ピザーニ・サンタ・マリーナの2フロア約500平米に展開し、建築家クラパット・ヤントラサストによる空間設計のもと、身体的な体験として提示します。 本展は、ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展にあわせて実施され、国際的な文脈の中で、日本の作家たちの実践を一つのまとまりとして提示します。その中に通底する工芸的な感性や態度をあらためて浮かび上がらせ、美術と工芸の分断構造を解消していこうとする点に特徴があります。これまで断片的に紹介されてきた日本の制作文化を、素材・身体・時間の関係として立体的に示すことで、その全体像を共有する試みです。 本展で提示される「工芸的な態度」は、単なるジャンル横断ではなく、現代美術そのものの前提に対する批判として機能します。近代以降の現代美術は、形式の革新や媒体固有性、作家の自律性といった価値を中核に据えながら発展してきましたが、その一方で、身体的経験や物質との持続的関係、時間の蓄積といった要素を周縁化してきました。 本展は、そうした近代主義的枠組みを内側から揺さぶり、作品を完成されたオブジェクトとしてではなく、身体と物質の関係が生成し続けるプロセスとして捉え直します。 さらに本展は、現代美術を支えてきた制度的構造――流通、可視性、即時的理解といった価値体系――に対しても批判的に応答します。ここで提示される作品は、消費されるイメージとしてではなく、時間をかけた関与を要求する存在として立ち現れます。その意味で本展は、現代美術の内部に位置しながら、その前提そのものを問い直し、別の価値軸を提示する試みです。こうした視点は、速度や効率を前提とする現代社会に対し、蓄積や身体的関与に基づく対抗的な芸術の可能性を示し、「現代美術」という枠組み自体を批判的に再編する契機となるでしょう。 ※認定NPO法人趣都金澤は、ものづくりが古くから受け継がれる北陸から2020年より毎年、ジャンルにとらわれない新たな⼯芸の⾒⽅を発信するプロジェクト「GO FOR KOGEI」を継続してきました。 GO FOR KOGEIについては こちら(https://goforkogei.com/) 展示風景撮影すべて:池田紀幸 開幕にあたり秋元雄史(本展キュレーター、GO FOR KOGEI アーティスティックディレクター) 展覧会について 本展は、情報と消費が加速度的に拡大する現代社会において、「つくること」という行為に内在する、もう一つの時間感覚と身体的な知覚を回復しようとする試みである。ここで扱われるものは、「工芸的アプローチ」あるいは「工芸的感性」と言い換えることができるだろう。 本展は、工芸を一つのジャンルとして位置づけるのではなく、あえて工芸的な態度を批評的なレンズとして用い、現代美術そのものを読み替え、再解釈することを目指している。 本展には、国内外で活躍する10名の日本人アーティストが参加する。彼ら/彼女らの多様な実践を通して、本展は、物質との深い関与、身体に根ざした知、そして身振りの緩やかな蓄積に基づく、現代美術の新たな理解を提示する。それは、速度、可視性、即時的な流通を重視する支配的な価値体系に対する、静かながらも確かな問いかけとなるだろう。   出展アーティストについて 沖潤子、川井雄仁、桑田卓郎、コムロタカヒロ、シゲ・フジシロ、舘鼻則孝、中田真裕、三嶋りつ惠、牟田陽日、綿結の10名は、それぞれ異なる素材と方法を用いながら、「身体と物質の関係をいかに制作の中で統制し、あるいは委ねるか」という問いに向き合っている作家である。 本展タイトルにある「エスノグラフィー」は、作家個人の表現を記述するだけでなく、身体を通して物質と関わる中で立ち現れる知覚や技術、時間の蓄積を読み解く視点を含んでいる。ここでの制作は、単なる個人の創作行為にとどまらず、反復や継承、共同性の中で培われてきた知の体系とも接続している。 工芸的アプローチの特質は、個人の独創性を超えて、長い時間をかけて共有されてきた技術や身体感覚、さらには集団的な知恵の蓄積に依拠している点にある。そこには、近代的な「作家=個人」という枠組みでは捉えきれない、無名性や継承性、関係性に基づく非近代的な要素が含まれている。素材の扱い方や制作のリズム、身体の使い方は、個々の作家に固有であると同時に、歴史的・社会的に共有されてきた実践の延長でもある。 本展における10名の作家は、このような集団的な知の層を背景に持ちながら、それぞれ異なる方法で物質と向き合っている。ある者は素材の偶発性を受け入れ、ある者は反復や積層によって時間を統制し、またある者は身体そのものを媒介として社会的・象徴的な意味を編成する。その差異は、個人の表現の違いであると同時に、身体と物質の関係をめぐる多様な方法論の現れでもある。 こうした実践を並置することで、本展は、制作を個人の創造性としてではなく、身体・物質・時間、さらには共同性や歴史性を含んだ複合的なプロセスとして捉え直す。そこに現れる「遅さ」や「深さ」とは、単なる速度の対概念ではなく、関係が積み重なり、知が共有されていく過程そのものを指している。10名の作家の仕事は、そのような多層的な関係の中で立ち上がる制作のあり方を、具体的に示している。 東京藝術大学名誉教授、金沢21世紀美術館特任館長、国立台南芸術大学栄誉教授、美術評論家。1955年東京生まれ。東京藝術大学美術学部卒業。1991年から直島のアートプロジェクトに携わる。ベネッセアートサイト直島・アーティスティックディレクター兼地中美術館館長(2004–2006年)をはじめ金沢21世紀美術館館長(2007–2017年)、東京藝術大学大学美術館館長・教授(2015–2021年)、練馬区立美術館館長(2017–2023年)を歴任し、GO FOR KOGEIのアーティスティックディレクターを務める。主なプロジェクト・展覧会に、「スタンダード」「直島スタンダード2」(直島)、「第1–3回 金沢・世界工芸トリエンナーレ」(金沢、草屯・台湾)、「工芸未来派」(金沢、ニューヨーク・アメリカ)、「ジャポニズム2018」の公式企画として「井上有一 1916–1985 —書の解放—」(パリ、アルビ・フランス)、「あるがままのアート-人知れず表現し続ける者たち-」(東京)など。著書に『アート思考』(2019年、プレジデント社)等。 基本情報展覧会タイトル|身体と物質のエスノグラフィー―加速社会における遅さと深さ 会期|2026年5月9日(土)‒11月22日(日)(休場日:火曜) 時間|11:00-19:00(5月9日‒9月30日)、10:00-18:00(10月1日‒11月22日) 会場|パラッツォ・ピザーニ・サンタ・マリーナ ヴェネチア市カンナレージョ地区6104(イタリア) 入場|無料 プレビュー|2026年5月6日(水)-5月8日(金)11:00-19:00  プレスプレビュー|2026年5月7日(木)10:00-11:00  オープニングレセプション|2026年5月7日(木)17:00-19:00 キュレーター|秋元雄史(GO FOR KOGEI アーティスティックディレクター) アーティスト|沖 潤子、川井雄仁、桑田卓郎、コムロタカヒロ、シゲ・フジシロ、舘鼻則孝、中田真裕、三嶋りつ惠、牟田陽日、綿 結(五十音順) 特設サイト|https://venice.goforkogei.com/jp/  主催|認定NPO法人趣都金澤 助成|クリエイター支援基金 特別協賛|株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ、未来トラスト株式会社 協賛|一般財団法人...

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